第三幕  ガラクタ、始動 1999年8月17日

ぴんぽんだっしゅ。
  この方、今現在は私の嫁さまで御座います。この当時はまだ同居人・・・ぶっちゃけていえば同棲って状態で一緒に住んでいたのであります。 
  えーと、この第三幕は第一幕と同じ日付に行ったものなのですが、この時、カブの分解を見てみたいと申されましたので「んじゃ見てみるが良いさ」と連れてきて(話せば長くなりますが、この作業が行われたのは私の実家で、同棲していたところはまた別、修理の為に一時帰郷、カブは実家に置いてあった)ついでに手伝わせてしまったので御座います。 
  んで、集金に異常なほどの情熱を燃やす方で、インターホンについての造詣も深く、ページまで作ってしまったものだから、人のうちのインターホンには興味を持つわけですよ。したら知った家なものだから押し放題で大喜び、押しているところを写真に撮った、と。 
  散々押して楽しんだ後にまたカブ修理の手伝いをさせたのでした。 

  さて今回のお題は、取り敢えず崩壊に近い現状のカブの、走行に関わるところだけでも交換して、何とか自走できるくらいまでにはしようというものです。 
  この際保安部品とか外装とかは見ないことにして、蘇生だけは何とかしたいなぁと思っていたわけでして・・・何しろナンバーは取ってきているのに数ヶ月放置されたままってのが不憫で不憫で・・・ついでにこの時私は実家に居ないから気が向いたときにカブをいじるなんてぇ気ままなことは出来ないから、気合の乗ったこの日に出来るところまでやっちまいたかった、けれどASA某からgetしてきたものを切った貼ったやってたら日が暮れて朝が来てウチのお母んが新聞を配りに来てしまう、んじゃぁできるところまでといったらエンジンの載せ替えと前後輪ホイールごと交換、リアブレーキを見るに耐える状況にする、なので御座います。

 
 

  これが今回載せ替えられる新品同様の(10,000kmだって新品同様なのさ!)極上エンジン。やっぱり外してきたままではそれなりに汚れてたのでマジックリンでゴーシゴシ洗ってあります。オイル漏れも無いし、スプロケの山も十分だし、気分は最高なので御座います。 
  ただ、このエンジンの中には後々手を入れていこうと思っているものなので今回は全く手を入れずにそのまま搭載します。なにしろ動かすことだけが目的なのだから。・・・といっても、このエンジンも結局は悲しい結末が待っているのですが、それはまた後の話。およそ一年後くらい・・・
  もう途中の話はどんどん端折って、エンジンを下ろすところから始めます。といっても、実際エンジンをマウントしているネジに到達する、といいますか、エンジンをおろすだけの状態に持っていくなんて過程はそれほど難しいものじゃないから良いでしょう。・・・エンジンの載せ替え自体もそれほど難しいことじゃないけど・・・ 
  エンジンをマウントしているボルトは2本、進行方向向かってエンジンの後方一本、上部一本。上部から抜いてしまうと「ゴン」と落ちてしまうので、まずは後方のボルトから抜くので御座います。 
  ボルトの山は14mm、ナットも14mm。んで、いきなりボルトを引っこ抜くと上部のボルトに過大な負担が掛かるので、ドライバをシャフトの代わりにするべく、ドライバで打ち抜いてしまいます。
  で、上部のボルトを緩める、と。結構トルクが掛かっているので変にエクステンションバーが長いと力が入りにくいし、Tレンチでもどうでしょうねぇ、力が入んないんじゃないでしょうかねぇ?まー、ラチェットレンチのひとつも有れば良いんじゃないでしょうか。 
  ここも双方14mmで御座います。
  またドライバで打ち抜く。もう一息。
  いくらドライバで打ち抜いてシャフト代わりにしていても、ドライバを抜けば・・・「ゴン」と落ちてくれました(T-T) 
  何はともあれエンジンを外せたわけで御座います。
  いや、エンジンが落ちてしまうと益々殺風景なカブのスケルトン。なんといいますか、元々フレームの頑丈さなんざぁPressCubだろうがSuperCubだろうが基本的な構造が同じなんだから、これを見ちまうと貧弱極まりないですな。 
  エンジンマウントのボルトが2本、それこそエンジンを吊り下げているだけ、アンダーブラケットなんて気の利いたものも無い。これでも結局は丈夫なんだから大したものです。某macのハンバーガーが、大した素材を使っているわけでもないのにそれなりに食えるものに仕上がっているのは、それなりのものがそれなりのレベルでマッチングしているからでしょう、それに通じるものがあるような気がしてなりませんわ・・・
  で、これが今までついていた、58,000kmで息を引き取ったエンジン。著しいオイル漏れの跡があります。オイルが燃えてしまっている上にオイルにじみまで発生していたら、オイルが無くなって焼きついてしまうのも無理がありません。
  新しいエンジンに、古いエンジンのマニホールドを付けます。 
これも新しいものにしたかったんだけどねぇ・・・大阪で荷造りしているときに適当に箱や袋に放ってしまったから何処にいってしまわれたのか思い出せなかったんですわ(T-T)しょうがなくですわ、しょうがなく。
  外すときと逆の段取りを取ればまたあっさりとエンジンは載ってくれるのであります。ただ、カブのエンジンだからと侮って一人でマウントボルトをつけようとすると、エンジンの下部に台とかが無い限り結構重くて大変なので御座います。まー今回は助手が居たのでらくちんだったんだけどね〜。 
  ともかく無事エンジンは載せ替えられたので御座います。
  その後、前後輪の交換をして、何とか動かせるところまでこぎつけました。ええ、エンジンは掛かりましたわよ一発で。そりゃ気分がいいもんですわぁ動くカブってのは。 
  昼頃から作業を始めたらとっぷり日が暮れちまいました。これでもまだまだ行動を走行するには怖いものがあります。外装ぼろぼろ、電装系もめちゃくちゃ・・・これからいじっていくのはめんどくさくもあり、たのしくもあり、です。

で、このあと私自身の人生の大転機とかが怒涛のように押し寄せてきて、また一年くらい放って置かれる運命にあったのでした。
哀れ、このエンジンで走行した距離は僅か5km位だったのではないでしょうか・・・続きはまたの機会に。

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