新聞の折り方
私がこれから書く事は、配達員側の(と言っても私の恣意的な)発想である。
新聞を折る。
新聞、折り目が無い方が読みやすいのでは?…と言っても必要最低限な折り目は必要でしょうが。新聞紙は1枚がA1の大きさ。A2の大きさで1面、4面(4ページ)で1枚。必要最低限の折り目とはA2にまで折ったところ、つまり1面(1ページ)が折り目無しで見る事が出来るところ。
図書館、会社等にある新聞ホルダーはその状態で閲覧できるようになっている、つまり、販売店に到着した時点での、いわゆる配達員にとってのデフォルトの折り方さえも否定しているようなもの。
店に到着した時点ではA3の大きさにまで折られている。これは配送と配達の都合上だと思われるが実際新聞を読むとなるとそれなりに邪魔な折り目、私も読んでいてそう思うし。
特に新聞によっては1面15段構成になっているので8段目が丁度A3に折った時の折り目が掛かる。配達している時にその8段目のインクがかすれてしまう事がある。特に雨の日なんて、ねぇ?それが第1面であるから益々読みにくくなってしまう(毎日新聞は14段構成)。
しかし新聞配達に於いて、新聞はポストに入れるものとの恒久普遍の了解事があるので新聞はそのポストの形状に合わせてどうしても折らねばならない。読む上で必要ではない、と言うか読むのに無駄な折り目はどうしたってつく。
但し読者全てがA2の大きさで新聞を見る状態(保存、保管、置いてある)にしているとは限らない。特に一般家庭でA2の大きさで置いておくには普通邪魔になるから、それなりの大きさに折って置いておく事になると思われるし。それでも読者自身が読むのに都合の良い大きさに折ってあるもの。
それでも読者の好む折り方と新聞配達の都合上付いてしまう折り方が一致するとは限らない。また、ポストは読者の好みで付けられるものだが、そのポストの形状によっては読者の意に反した折り方になる事もある。
ここが配達員と読者の妥協点、どちらも納得が出来る折り方は何か…深いテーマである。
新聞は美しく折る。
ポストに入れるが為に新聞を折るといっても「折るぞ!」と言うほど激しく折るものではない。折るにしたって折り目は必要最小限にとどめることが必要。新聞を「曲げる」をちょっと発展させた位で十分。
蓋の付いているポスト、特に蓋が内側に折れるポストは、その蓋を押し倒す勢いと新聞のある程度の硬度が無いとちょいと辛い。でもその硬度は新聞全体に必要なものではない。角が少し硬ければ十分蓋を押し倒す事が出来る。
新聞は形よく折る。角と角はきっちり合わせるような折り方でないと、まず見た目から美しくない。それにきっちりした形の方が、ポストの形は整っているものなのだからすんなりと入れる事が出来るし収まりも良い。読者が新聞をポストから取り出す際も取り出しやすいだろうし。
新聞は美しく折らないと。
折り方の例。
デフォルト
新聞が店に到着した時点での状態がこれ。新聞配達員が折ったとは言わないが、前述の通りもう折れていると考える。
ただ、この状態でポストに入れると言う事は余り無い(と思う)。
元日は特殊な例。他には、そもそもポストが無い、と言うかポストではないところに入れるというか置いてくるというか…そんな状態の場合にデフォルトのまま、と言うのはアリ。
以後hmpg上では、この状態での長辺をL1、短辺をL2としておく。
横二つ折り
デフォルトの状態から1回、イメージとしては横に折った状態。配達員なら当然用いる折り方。この折り方に合った形状のポストも多い。この状態でA4の大きさである。一般読者の保存のイメージに一番近いかもしれない。また、古紙梱包用の袋の類もこの形状を前提として作られている。
この折り方、びしっと中心が決まれば気分よく折れるのだが、中心が多少でも外れると「背」の部分(写真でいうとL3の表記のある部分)が捲くれたり全体的に歪んだりと気分が悪い。そういう捲くれ歪みはポストに入れる際の障害にもなる。
と或る配達員がやっていた折り方で気になったものがある。それは第1面の上半分(題字というか新聞名が有る方)を外側にしてこの折り方をしているもの。
これ、私としてはわざわざ折りにくくしているような気がしてならない。それ以前に折りにくい。普通に折ったつもりでも写真でいうL3の表記のある部分が反る。
新聞をバイクなり自転車に積載する場合、第1面の上半分が上側に来るように積む、それを配達中引き抜いて折ってポストに入れる、その行為をごく自然にやれば第1面の上半分が外側に来るような折り方はしないはずなんだけれども。無駄な動きである。
また、新聞の第1面といえば新聞の「顔」みたいなものだろう、傷がついたりインクがかすれたりしたら印象が悪くなる。
新聞をポストに入れる行為において、新聞が多少いたむと言う事は意識しないでも起こりうる事(分かっていながらやるのは問題外)、ポスト内の突起物などで知らず知らずのうちに破けてしまう、とか。そうすると配達員も読者も気分は悪い。
わざわざ外側に折る必要なんか無い。
以後、この折り方を「横二つ折り」と称し、長辺はL2(当然)、短辺をL3としておく。
縦二つ折り
デフォルトの状態を、イメージとしては縦に1回折った(曲げた)形状。
この折り方、かなり折り易い上に横二つ折りで対応できないポスト以外だと大抵対応できてしまう折り方なので私は多用する。
しかし、折り方としてはかなり不自然である。こんな状態で保存というか存在させておく読者は居ないと思う。
だからこの形状を保持するような状態にまでは持っていかない、つまりはっきりは折らず「曲げる」程度でとどめておく必要がある。
アパート系ドアポストの様に少々幅が狭いポストに挿す場合も必要な分だけ折る様にする、挿すきっかけ程度に。
以後、この折り方を「縦二つ折り」と称し、長辺をL1、短辺をL6としておく。
三つ折り
デフォルトの状態から、短辺の両端から1/3の部分を1回ずつ内側に折りたたんだ形状。ほぼすべてのポストに対応できる折り方である。
また、折り易いとまでは行かないが、1/3がバシッと決まれば何の抵抗も無く簡単に折れる形状でもある。何か目に見えない筋が入っているのかもしれない…ただ、折込の厚さが増すと折りにくくなる。
私が一番最初に仕込まれた折り方で、その癖が抜けきらないのでかなり多用する折り方。
この折り方はやはり状態としては不自然。折り回数が増えれば不自然になるのは当然なのだが、ここから広げてもA4の状態にはならない。A4の形状になる折り目が入っていないから。つまり一般読者が置いておく状態にするには、また更に折り目を増やさねばならない形状である。
ここが配達員と読者の妥協点の狭間みたいなものではないかと思う。配達員としては結構使いやすい形状、読者としては無駄な折り目によって新聞が読みにくくなる…しかし、私が配達している間でこの折り方が問題になった事はない。それでも結構危険な折り方なのではないか?
そうそう、この折り方でも第1面の上半分を外側にした折り方を見たことが有るが、これも訳が分からん無駄な行為と私は思う。
以後、この折り方を「三つ折り」と称し、長辺をL2、短辺をL4としておく。
四つ折り
デフォルトの状態から横へ1回折ったもの(横2つ折り)を更に1回横へ折ったもの。新聞が薄い時しか出来ない折り方。これもまたほぼ全てのポストに対応できる折り方である。
折り目がたくさん付くが、3つ折りと違い開くと横二つ折りの形状になるので、或る程度マシな折り方かもしれない。また、夕刊も購読している読者ならば馴染みもあり慣れている折り方。
ここまで折るのは、配達員が折り易いから折ってしまう、ポストに入れ易い、と共に新聞の硬度を確保する目的もある。
新聞は薄すぎると横二つ折りにしても蓋が内側に折れるポストなどでは、蓋を押し倒せないで「ふにゃ」となり気分は悪いし折り直す2度手間も掛かるし、難儀である。
それなら最初からすんなり入れる事が出来る形状にしてしまうのは無駄手間をナンボ無くすか考える配達では当然。
以後、この折り方を「四つ折り」と称し、長辺をL2、短辺をL5としておく。
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