新聞の入れ方
(ポストの裏側編)
読者による新聞の存在の認識と新聞の取り出し易さ、ポストの裏側。
まず。ポストの裏側の状態によって読者の新聞の存在の確認の仕方が変わってくる。また、ポストの裏側に取り出し口があるならば、読者はわざわざポストの前部に回り込んでまで新聞の存在を確認するとは思いにくい。だからこそ前項の例のようなことが起こる。
また、新聞の存在が分かりその新聞を取り出す段階で、障害無くすんなりと取り出せることが理想である。
この取り出し易さ、認識のしやすさはポストの形状、裏の状態、新聞の折り方、新聞の入れ方が関わってくるところ。
新聞の存在をどう分かってもらうか、取り出すにはどういう状態が良いのかを考える。
1)裏側がアクリル板の(上に引き上げるというか持ち上げる)蓋が付いているもの。
このアクリル板の蓋、透明なものと曇〜白色のものがある。
蓋に色が着いている、濁っている場合、遠目にポストの内部が分からないので読者自身で蓋を開けてみてその存在を確認しなければならない。
しかしこの蓋が透明だと、読者はその蓋を開けてみて中を調べてみると言う行為を多少おざなりにしてしまうかもしれない。ここは人間の本能「楽出来るに超したことはない」からくる。
だから酷い場合には自宅のドアを開け、遠目でその蓋越しの部分だけを目視、実際にポストの中を自らの手で調べることなく新聞が入っていないと判断してしまうこともある。
そういう訳で、まずはポストの裏側がどうなっているかに関わらずポストの奥までしっかり押し込むことが原則である。
で、新聞の取り出し易さだが、この場合裏側全体が開くわけではなくその大部分が開くに止まっている。だから新聞が両側のしきり部分(アクリル板蓋のレールがある)にひかかって手は入れにくい、取り出しにくいポストである。
そうなってくると折り方と新聞を入れる向きを考えることが重要である。
新聞の取り出しにくさで文句を言われるような仕事をしてはいけない。
蓋が付いているので、雨の日は裏側から新聞が濡れることは或る程度防げる。表側からの場合については後のページでのお話。
2)裏側が透明、裏側全体が開くポスト
透明である、その上裏側全面が開く。これは読者にとってこの上ない裏側だと思われる。
この場合ポストの中を確実に見通すことが出来、さらに何に引っかかるものも無く新聞を取り出すことが出来てしまう。
でも、その全てにおいて優れているのだがその優秀さにかまけてビラチラシ、回覧板等の陰に隠れた新聞を見逃してしまうことがあるかもしれない。ただそういう事で新聞を発見できなかったと言う苦情が来たことはない。
しかし可動部が有るものはいずれガタが来る。…蓋の締まりが甘くなってくるのである。それを知らずに勢いよく新聞を入れると新聞が蓋を突き飛ばし外に飛び出してしまう。ガタが来ていなくてもだ、新聞が重いと加速が付いて蓋を開けてしまうことだってある。だから尚更蓋の締まりが甘いとまずい。
残念ながら甘いかどうかは配達員の知る由の無いところである。ただ、読者から知らされることもあるし、バイトなら区域担当者から伝達されることもある。一度知ったからには注意深く新聞を入れないとダメ。
勢いが付くといえば。
雨の日、新聞をビニル袋に詰めることがある。ビニル袋に入った新聞は歪むことは少ない、ついでに折り易い、配達上ではかなり条件がよくなる。その上ポストにも入れ易いと来たもんだ。すると勢いが付く…更に摩擦も少ないから勢いは増す…ポストの裏蓋を突き抜けていってしまう。
いくら雨に濡れないようにビニル袋に入っているといってもだ、完全防水ではない、そのまま捨て置けばまず間違いなく水が浸入し新聞が濡れる。袋に入っていながら新聞が濡れている、下品な仕事である。
その捨て置かれた(裏から飛び出したままの新聞)を見た読者はどう思うか。当然不快である。気持ちがいい訳が無い。
雨の日は晴の日以上に神経を使わねばならない。
3)裏側は透明ではない、裏側全体が開くポスト
中がどうなっているかが遠目では確認できない為、読者自身で蓋を開けて中を確認しなければならない状態である。
しかし、裏側全体が蓋になっており、蓋を開けて新聞が入っていれば誤認が無いというのは長所だとおもう。
それでも蓋がどうなっているかによって(締まりが甘い等)2)と同様の新聞の飛び出し方をする可能性を秘めている。
写真の場合ダイヤル式というかノブ状のもので蓋を閉める。だが、私が触った(開閉実験の)限りではノブをきちんとロックしなくても「閉まっている」様には見えるのである。
ここが曲者、読者は閉めたつもりになってしまうかもしれない。そうなると…やっぱり新聞は勢いよく飛び出していくのである。
ポストの外に飛び出し、地面に落ちている新聞を見た読者は、「ポストに入れずに只投げ入れただけではないのか?」とも考えるらしい。変な誤解を招かない為にも、更には文句を言われない為にもポストの中に存在する様にしなければならない。
裏蓋があるポストでは、裏蓋があると分かっていても「新聞は飛び出していくもの」と常に”性悪説”を心得ていた方がいいかもしれない。物事を良い方にだけとっているとロクな事がない。
4)裏蓋が無い(元はあったらしいが今は無い)
そもそも裏蓋が無いのである。
こうなると普通の裏蓋がある感覚で新聞を入れると間違いなく、それも当然のように新聞は飛び出し裏に落ちる。
新聞をポスト内にとどめておくには多少のテクニックが必要になってくる、迅速な配達を目指す上で障害になるもののひとつである。新聞が落ちることが分かっているので「奥まで押し込む」の原則が罷り通らない例外である。
気分的には、裏蓋の甘いポスト、蓋があっても閉まらないポストはこれと同類ではないだろうか。
こういうポストには雨の日ビニル袋に入れた新聞を入れることになるが、裏蓋があればそういう事はなくなる…それを知ってか知らずか何時になってもポストを直す気配が無いのである。
私はそんなポストを見ていつも突っ込む、
「ポスト直せや、ポスト」
どんなに庭先を花で飾ってみても、家の前を掃除してあっても、ポストがぽんこつな家の人間の資質なんてたかが知れている。
と、愚痴を言って見たところでポストは直らない。
こんなポストでも新聞を入れろとの読者の要求と諦め、新聞をどういう風に入れるかに腐心するのである。
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