ICO(ラリーメータ)
さて、コマ図とその横にある区間距離・積算距離を見ながらリエゾンなりSSなりを走っていくのでありますが、距離を見るのにバイクに元々ついている距離計を見ながらってのは正直つらいのでございます。ラリー慣れした人なんかは、その距離計とコマ図の”雰囲気”だけで走っていけちゃったりしますけど、あいにく私にゃそんな能力はございませんので、素直にラリーに適したメータを別に用意したのでございます。
そんな、ラリー用途に適した(というか特化した)メータがICOラリーメータってものでございまして、国際ラリーに出るバイクにはまず装備されているものでございます。10m・100m単位、加算減算積算走行時間、当然スピードも表示可能。加算減算がついてるってのが大きいところで、もしミスコースした場合コマ図の距離にまた戻せるので(コマ図を見ながら誤差を調整できる)、ラリーに適しているのでございます。さらに、コントロールスイッチが別体でございますので、 ウィンカー付近にでもつけておけばハンドルから手を放さなくても操作ができるのでございます。
まぁ、それだけ聞けばチャリンコに付けるようなサイクルメータもおんなじ様な機能を持ったものもございますが何しろ耐久性が違う、そうは壊れないからこそ、国際ラリーでも大活躍。
但し。メイドイン宇佐なものですから・・・あちゃらさんの香りぷんぷん。なんか作りは大雑把、表示も明朗会計。まー、そうでなければ投げても踏んでも壊れないようなつくりにはならないのかもしれませんが。値段のほうも大味で、私が使うのは電池式のICO RALLY2、38,000円なり。寒い懐がさらに寒くなるのでございます。
いずれにしろ、カブにつけるために買ったものではなく、前述のTBIに参加するために買ったものの流用ですからごっそり付け替えれば良いだけなんですけど、カブにつけることなんか考えられてないのは当然で、カブ特有の構造ゆえに悩むことになったのでした。
そうそう。国際ラリーに参加する車両には、豪華にICOを2機備えてる場合もあるのですが、それも真似しちまおうかなーと、ちょっとだけ考えたのでした。私の1機、嫁の1機、合計2機手元にある・・・でも、2機も付けて何に使うんだ?砂漠の真ん中走るわけでもなし。それにどこに付けるよ?と、かなり無意味なのでやめときました。

マップケースのステーと、左ミラー穴の間に板を渡しまして、そこにICO本体を据えました。ハンドル(の側)に穴開けることも考えたんですけど、ICOを取り外した後に跡が残るのは美しくないのでやめでございます。
本来ならば、HIDのスイッチの横あたりにでもICOの別体スイッチをくくりつけて、本体はマップケースの上、距離の記述のある並び辺りに据えるものでございますが、実は、私の持ってるICOの製造ロットがカスだったのかどうだか、別体スイッチが水にぬれると激しく誤作動を引き起こすのでございました。ちなみに今回使うICOは嫁のものなのでございますけど、それでも別体スイッチを使うのが不安なので、本体のスイッチだけでしのいでしまう事にしました。
まぁ、本体の位置がここなので、別体スイッチをつけたところで操作は大差ないんですけどね。

ちなみに、ICOにはもともと照明がないので、これも別体で自作でございます(TBIの時のままだけど)。高輝度白色LEDを12v駆動。
これはICO本体の電池を電源とはせず、ヘッドライトの裏辺りのごちゃごちゃしたハーネスに寄生させてあります。
穴も何も開けずにケーブルを引っ張り出したものですから、移植したヘッドライトが少々上向きに浮いちまっていまして、このヘッドライトを使う時はLOWビームでも、HIビームよりさらに上向いてます。

さて、ICOをカブにつけるのに一番問題になったのは、距離やらスピードやらを拾い上げるセンサの位置です。
ICOのセンサってのは、いわゆるサイクルメータと同じく磁石の通過回数(タイヤの回転数)を拾うようになっておりまして(ICOとサイクルメータはセンサを共有できる)、フレームにセンサ部分を、ホイール(ハブやスポーク)に磁石を固定して使用します。そして、ICOの場合はフロントフォークとフロントホイールをしてそれをします。

しかし。それはあくまでフォークとホイールの位置関係に変動のないことが前提ですから・・・つまり、テレスコピックサスでないと成り立たないわけで、ボトムリンクサスのカブでは、(カブじゃなくてもだけど)走行中はサスペンションは常に動くのですが、ホイールとサスペンションの定点の高さ(と表現すればいいのかどうか・・・)が一定ではなく、センサが回転数を安定して拾うことができないわけですよ。となると、カブのフロントにセンサの取り付けは無理なわけです。安定してなければ意味ないですからね。

という訳で、リアホイールに取り付けてみちゃいました。まるでロードレーサの自転車みたいですけど。本当は、後輪につけるってのもあまり褒められたものじゃないんですわ、こっちも誤差が出やすい。後輪で駆動してるわけですから、空転もありえるわけで、それを拾っちまったら・・・まぁ、空転しないように走ればそれで良いか、と能天気に考えてこの場所に落ち着いたのでございます。
磁石は、文房具屋とかで売ってる4個100円とかの、冷蔵庫に貼り付けてありそうなもの。当然ICOにも強力磁石は付属してましたけど、エポキシパテで粘して使うタイプなので今回は使いにくいということでこれにしちゃいました。誤作動なしでしっかりいい仕事してくれました。
ステーもやっつけ仕事で、家に転がってたアルミ板をテキトーに曲げて穴開けておしまい。耐久性云々は・・・今回は考えないでおくことにします。もし1回使って駄目そうならつぎ考えればよいです。
一番気を使ったのはセンサと磁石の間隔。ここ、5mm以内となかなかシビアなもんで、ステーの形状がこうなっちまったのでございます。

で、センサからメータまで伸びるケーブルもガムテープで養生。最初はガムテープも何もなくてただ垂れ下げておいただけなのですが、あくまでこの一式は嫁のもの、嫁が「だめぇ〜」とのたまうのでこういうことになりました。このレベルじゃ・・・まぁないよりはマシですか。ちぎれちまったら高いものなので、一応気をつけたのでございます。
ケーブルもそれほど長いものじゃないのですが(フロントだけで完結するはずのものだから)、カブの車長にはちょうど良い長さでした。



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