新聞屋の専門用語は新聞社、店毎に多少は違うもので結構ローカルで通用するものもあります。
その中でも私が知っているものについて書いています。何か間違いがありましたらご指摘ください。訂正します。
そうそう、ある人物に「用例つくってくれ」と言われているのですが…結構難しいです(^^;
拡張員(張員):拡張を生業とした人のこと。何処の新聞販売店にも属さない独立系の人。
拡張団:拡張員の集団。基本的に法人である。現在はフリーの拡張員は殆ど店に出入り出来ないらしい。
専拡(専業拡張員):販売店のお抱え拡張員。
セールス証:社員証とも言う。新聞社から正式に拡張を認められた人物のみが持つ。これを持っていない拡張員は信用出来ない。ちゃんと認められた拡張団に所属する拡張員のみが持てるらしい。
拡材:「拡張材料」の略で拡張に使う材料、つまり洗剤などの景品。
景品法:ここでは拡材についての取り決めとしておく。景品法の改正で拡張に使える材料が、新聞購読料の何割までとハッキリ決められた。つまり拡材をばら撒く事が法律で禁止されたのである。これまでは新聞業界団体の自主規制のみの取り決めだったのだが、公正取引委員会の手が入り、法律で「拡材はこれしか出せない」と決められたので拡材の過剰なばら撒きは犯罪となる。これに違反すると販売店は営業停止(セールスの禁止)などのかなり厳しい裁きが下る。
読者モニター:他紙拡張に関する監視を目的として販売店が読者へ特にお願いしてなってもらうもの。具体的には他紙拡張員の拡材に関する違反を監視してもらう事になる。
カード:契約の事。契約書そのものの事を言うが、「カード」で「契約」の意味として通じる。
カード料:カードに対する報酬。シバリ>起こし>新勧と、その金額が変わる。
あがる:契約をとってくる事。
コンクール:新聞社がある一定の期間を設けて、その間にあがったカードについてカード料を上乗せしたり、枚数に応じて景品を出したりするもの。
プレミア:通常のカード料に上乗せされる報酬。コンクールや店独自で付く。
回収率:自らあげたカードから止めが出た場合、その止めをどれだけ回復できたかの率。交替も含まれる為、100%まで率を上げるのはかなり困難。
現読:現在新聞を購読している事。
過去読:過去に新聞を購読していた事。
無読:新聞を購読していない事。
新勧:新たに拡張してきた読者の事。つまり、過去その店で新聞を全く購読した事が無い人と契約してきた場合「新勧」と言う。
起こし:過去に新聞を購読していて、現在は購読していない(他社の新聞を購読している等)人と契約してくる事。
先起こし:現在の契約期間が終わった後他社と契約している読者の、その他社の契約期間が終わった更に後の契約をしてくる事。
シバリ(縛り):現在の契約の延長をする事。
先シバリ(先縛り):現在の契約の契約期間延長(シバってある)の更に先の契約期間延長をする事。
喰止め:当月切れのシバリ。
約切:契約期間が終了する(した)事。契約が切れた事。
入り:契約期間が始まる事(新聞を入れはじめる)。
不良カード:踏み倒された契約。契約したはずなのに「契約していない」と読者に言い張られたりした場合そうなる。
不良読者:金払いの悪い読者。
集金不良:集金が出来ない事。
固定読者:購読する新聞がずっと変わらない読者。
約なし固定(読者):固定読者のうち、契約期間が定まっていないもの(読者)。
契約固定(読者):固定読者のうち、契約期間が短期なり長期なりで定まってはいるが更改して購読し続けるもの(読者)。
交替読者:購読する新聞がころころ変わる読者。一回の契約が3ヶ月、6ヶ月、1年だったりする。
全戸台帳:契約の状況(契約期間、購読新聞の種類等)や個人情報(住所、電話番号)を配達順路通りに表記した台帳。過去の読者もすべて載っている。
S:サービスの略。月の途中から購読をはじめた場合、その月はサービス(無料)になる場合がある。
即入:契約した翌日から即新聞を入れる事。
セット:朝刊と夕刊を取る事。
転居通報:契約期間が残っていたり縛ってある(とにかく契約がある)読者が転居する際、その読者の引越し先が判明したら、引越し先の販売店にその読者の転居を通報する事。基本的にはFAXを用いる。こういう事を従業員が読者から聞き出し調べ購読の継続を狙う、または”引越し即日から新聞が入る”を謳い継読を促す(実際に入る)。
(転居)通報料:転居通報をした事に対する報酬。しかし通報の締め切り時期が案外早いのと、締め切りを過ぎたものについての通報と通報料がどうなるかが分かり難いので、毎年混乱し揉める。
ガサ:不良カードが多発したり、人の出入りが激しい地区、場所、アパート等。
マッチ箱:かなり古めの平屋の貸し家。インターホンが付いていない事が多い。
増紙:紙(契約件数)を増やす事。
てんぷら(カード):架空のカード。
まるちょん(カード):読者との信頼関係があって初めて成立する、従業員拡張員外交員の恣意なカード。てんぷらカードとは紙一重。
カツカン(喝勧):拡張手段の1つ。脅して拡張する事。
ナキカン(泣勧):拡張手段の1つ。泣きおとして拡張する事。
オキカン(置勧):拡張手段の1つ。金品を無理矢理置いていく事。。
内金:拡張員をまとめる団長や会長が一括して販売店からカード料を受け取りそれを拡張員に分配するのだが、1人に分配する分の内、当日払いするものを「内金」と言う。
残金:1人に分配する分の内、プールしておいて1月毎に支払われるものを「残金」と言う。不良カード等が発生した場合「残金」の中からカード料を弁償する事になる。「内金」と「残金」の割合は団や会によってかなり異なってくる。
まとめ:或る決めた数だけカードを増やすと出る報酬。店と団や会との交渉で決まる様子。例えば1ヶ月にカードを50増やすと店と約束し、50以上カードを取ってくるとXから金が出る。これが48や49までしかカードが増やせなかったとかとなると苦し紛れのてんぷらカードが出たりする。
忍者:てんぷらカードを乱発するだけして逃げてしまう人。
引っかけ:新聞社名を偽って拡張をする事。例として、現在購読している新聞(社、屋)のセールスマンを名乗る人物が、他紙のセールスマンを紹介して、その他紙セールスマン(を名乗る)人物に判子押してやってくれ等と言う事がある。実は2人とも他紙拡張員である。いわゆる詐欺。
誤配:入れる新聞の種類を間違えてくる事。
店を開く:バイク、自転車等に積んだ新聞を道にばらまく事。
順路帳:読者の名前を、新聞を配る順番に並べて表記してある台帳。全戸台帳の現読読者のみを表記したもの。
順路記号:配達順路を簡単に表記した記号。地図が無くても記号を理解できれば配達が出来る。
流し込み:契約期間が終了した読者や契約が無い読者に、契約が出来るものと想定して新聞を入れ続ける事。
欠配:無断で配達を休む事。無断欠勤。新聞配達員最高にして最大の大罪。
カニ歩き:集合住宅などで、1フロアにドア(ポスト)が横にずらっと並んでいて、横に歩きながら新聞をポストに入れる(入れられる)事。
代配:本来の配達員の代わりに新聞を配達する事。
代配員:本来の配達員の代わりに新聞を配達する配達員。本来配るハズの人が休んだ場合活躍する事になる。
臨配:店で人手が足りなくなった時のピンチヒッターとして一時的に配達に従事する外部の人。日給ナンボ、で雇われる。拡張団が副業でやる事が多い。
折込:新聞に広告を入れる事を言うが、広告、チラシそのものを指して「折込」とも言う。
統合版:もともと夕刊のない地域で、前日の夕刊(に掲載される記事)と当日の朝刊の早版をあわせた形態で発行されるものを本来指します。夕刊のあるセット版地域では、朝刊は単に朝刊であり、夕刊を取らない客の存在は、厳密にいえば認められないものです(実態にはあいませんが)。
※とのご指摘を頂きましたので訂正しておきます(ほぼ原文のまま)。ありがとうございました。
増刷:日曜版、月曜版、高校野球特集、進学特集等の新聞本体と別に刷られ折り込まれる新聞。増頁、別刷とも言う。
専売:扱う新聞が特定の新聞社のものである事。
合売:扱う新聞が特定の新聞社のものに限られない事。
押し紙:…店と本社(販売局)の葛藤…と言う事にしておいてください(^^;;
取り紙:店の販売局対策(^^;;;;;
積み紙:これも店の販売局対策だね、ナンボか意識しての。
過剰予備紙:これもそれに近いんだけど…これは店の経営の甘さかしら?これら4つは残紙として残る。