軽いメンテナンス

  PressCubは、新聞配達員にとってとても重要な商売道具ですから気を使う・・・と言いたいところですが、Cubの頑丈さにかまけて何もしないでそのまま乗り続ける人が多い事には結構驚きです。なるべく手入れは欠かさないで欲しいという願いも踏まえて、私の保守について書いてみようと思います(もちろん、私はかなり気を使っていますよ)。


 
オイル交換
  いくらメンテナンスフリーに近いといえど、乗っていて「動きが悪くなった」とあからさまに感じるようになれば誰しもどうにかしようと感じるものです。その一番手がオイルの劣化。燃費が悪くなり、機械音が大きくなりダッシュも悪くなる。意外とオイルにだけは気を使う人が多くて、1500km毎には交換しています(30000km位平気で交換しない人もいますが)。使うオイルは一番安い純正のULTRAUで十分。Cubというのはとことん安く上がるように出来ているようです。ちなみに、私が所属する専売所では基本的に出入りの自転車屋に任せきり、という風になっています(殆どの整備も)。
ブレーキ
  何故かフロントブレーキを使う人が少ないのが気になります(リアだけで十分用が足りるというのもありますが)。そのためフロントブレーキが固着して使い物にならない事が多くて困りもの。ブレーキを生かしておく為にも使った方が良いです、絶対。それで、頻繁に使われるリアブレーキですが、シューなんて早々擦り減るものではないので、廃車まで取り替える事はないでしょう。取り替える必要も無い、とも考えています。
  が、最重要保安部品なので、せめて50000kmに一回は取り替えたいですね(取り替えたことがない)。あ〜、あんまり参考になりませんね…
  あと遊びですが、これはナットが手で回せるので工具は必要ありません。しかし場所が場所だけに手は汚れますよ。諦めてください。
球関係
  電球の事です。意外と使われているタマが多いのがPressCub。前照灯、ポジションランプ、ニュートラルランプ、3速ランプ、方向指示ランプ、方向指示器4器、尾灯。10個も有ります。いずれも切れやすいので、注意が必要。特に尾灯、気がつかないと何時までも気がつかないので運行前点検は絶対にして下さい。
  前照灯と尾灯は本当によく切れるので、店にストックして有ります。前照灯はねじ込み式、尾灯は差込式となっています。その他は・・・・やっぱり自転車屋任せ。
 
前照灯用の球。
鍔の突起は1つ、12v30/30w。
尾灯用の球。
ただ、この型になったのはC50BNDP-T(DX)、C50BNP-T(ST)からです。
 
可動部の給油
  新聞配達に使われるという性格上、雨に濡れる事が多いのでたとえ新車であっても錆が出やすく、その上油膜が切れるので可動部の動きはすぐに悪くなります。給油部分としては、アクセル、スタンド、チョーク、ブレーキ、チェーン等。チェーン以外はCRCを吹いておけば結構かと。
  本当にメンテナンスが面倒くさければ、クレ666というマリンスポーツ用の水に強いCRCがあるので、それを吹いておくと宜しいかと思います。ただ、中にはブレーキ本体にCRCを吹いてしまう曲者(実は私はやった事がある)がいるんですね。それをやってしまうとブレーキが利かなくなるか、利いてもキーキー音が鳴り大変面倒な事になります。絶対にブレーキ本体にCRCを吹かないように。 もし吹いてしまった場合、走行しながらブレーキを引きずって何とか油膜切れを起こすようにするという、CUBにも精神的にも負担がある方法を取るしかないのでは?
  そしてチェーン。Oリング入りではないノーマルなチェーンなので、給油を欠かすとどんどん伸びていきます。少なくとも5000kmに一回はチェーン引きと給油は欠かさないようにしましょう。ガラガラ言っているようでは手遅れ。
タイヤ関係(交換、パンク補修等)
  タイヤ交換に関して。フロントに使われているタイヤは「BRIDGESTONEの何だか分からない」タイヤです(済みません)。タイヤサイズは「2.25-17 33L」。もしかしたらこのサイズのこの型のタイヤはCub用であって、名称の必要が無いのかもしれません。
  リアは「BRIDGESTONE EXEDRA G556」「IRC NR35」「DUNLOP SNOW S106A」(スノータイヤ)と言うタイヤ。他のメーカーからも出ているかもしれませんが、私が知っているのはこれだけ。値段的にはBRIDGESTONEとDUNLOPが4000円程度、IRCが2000円くらい安いかな。サイズは「2.50-17 38L」
  大体リアで5000kmで交換くらいが良いかと思います。無理して使って30000km位まで頑張れますが、安全面でお勧めできません。フロントは10000kmってところでしょうか。フロントとリアで微妙にサイズが違いますが、どうも同じタイヤを付けてしまうことも出来るようです…絶対お勧めしませんけどね。
  パンクの場合、自分で修理できないことも無いのですが(本当はその方が良いと思う)交換の際に傷を広げてしまったら元も子も無いので(タイヤレバーでチューブを噛んでしまったとか)やはり出入りの自転車屋に任せきりです。最近知ったのですが、その出入りの自転車屋はかなりいい加減な仕事をしている様です。ホイールのカラーの向きぐらい確かめてからつけてほしいですね。空気圧は前輪が2.00kgf/cm2、後輪が2.25kgf/cm2になっていますが、新聞配達では常に「二尻」をしているようなものなので、私は2.5kgf/cm2と、微妙に高めにしてあります。
チェーンとスプロケット
  何度も書いていますが、Cubのチェーンはそうそう大層なものではないので簡単に伸びます。それもかなりの早さで。
  まずチェーンを伸ばさない為に給油を欠かさないようにするのは当然で(チェーンカバーの横に給油用の穴がある)、それでも伸びてしまったらチェーン引きしかありません。
  センタースタンドを立ててギアをニュートラルにいれ、アクスルナットを気合いを込めて緩めます。かなりキッツイ締め方をしてあるのでメガネレンチを架けて蹴っ飛ばすのも手です。で、緩まったら左右のアジャストナットを左右均等に締め込んでいけば宜しいと。遊びは10〜20mm位で十分です。で、左右均等でないと尻が振られて不快です。
  もし、チェーンを調整してから走行して、チェーンが外れたという場合、スプロケットの点検を。そんな状況になるようでは多分スプロケットの山が寝ているようになっている可能性が高いです。即交換。なるべく30000km位で交換しましょう。その際、チェーンも一緒に交換することをお勧めします。一方が古いと、もう一方の痛みも早くなりますから。
光軸調整
  何度かこかしたりぶつけたりしているうちに、その構造上前照灯がだんだん曲がってきて光軸がずれるんですね。それで照射範囲が狭くなるので、ただでさえ暗いライトなのに危ない。と言うことで光軸調整。と、書くと何か大袈裟に聞こえますが、そこは新聞屋らしく本体を蹴飛ばす、つかんで強引に曲げるでばっちりOK。
  でも、それでは一般人受けしないので、一般的な調整方法を。PressCubの前照灯はボルト2本で留めて有って、そのボルトを共に緩めれば自在に好きな角度に調整できます。
ステアリングが重いと思ったら
  先日、店長がCubに乗ろうとしていたところを目撃、様子を覗っていました。乗ろうとしたCubはいつも店長が乗っているもの。しかし、何か愚痴っている様子、気になったので近づいて話しを聞いてみると「ステアリングが重い」との事。最近放って有ったので何処か錆付いたのかステアリングヘッドのベアリングのグリスが切れたのかと思って色々調べた結果、何のことはない、フロントブレーキを引きずっているだけだった。可動部にCRCを吹いて解決。
  と言う事で、まずはブレーキを調べてみる。駄目ならステアリングの分解、ベアリングにグリスを塗りましょう。
その他大勢
  触らぬ神に祟りなしとはよく言ったもので、新聞配達上で上記意外のところに触れることはまず有りません(それ以前に不都合が出ない)し、分かりもしないのにいじると壊れます。もっと言えば、不都合がないところをいじるのは止めた方が良いということです。よって、キャブレタの分解、エアクリーナの掃除、ましてやエンジンの分解なんて普通しません。プラグの交換すらしないのですから。それだけCubが頑丈だということですかね。とにかく、不都合が出たら素人さんがいじらないで素直にバイク屋なり自転車屋なりに任せた方が得策です。
  でもね、メンテナンスってのは「如何に新車の状態を維持するか」が勝負です、不都合が出てからどうするかと考えるのもおかしな話ですけど。


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